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抗スクレロスチン抗体

院長の内藤です

今日は当クリニックでも思い入れの深い抗スクレロスチン抗体であるイベニティーの講演会が東京でありました。

今までは骨粗鬆症の治療はビス剤を中心とする骨吸収抑制剤が中心でした。最強の骨粗鬆症治療薬と言われるテリパラチドでも皮質骨においてはcortical porosityを引き起こすため骨形成増加を促す薬の登場が待たれました。スクレロスチンは南アフリカで発見される硬化性骨症や、オランダでのvan Buchen病の病因から発見され、骨形成抑制作用を有し主に骨細胞が産生します。血中スクレロスチンが低いと骨形成増加します。スクレロスチンはLRP5/6に結合し、エストロゲン欠乏では血清スクレロスチンが高く、血清スクレロスチンは年齢とともに上昇します。運動負荷においてスクレロスチン発現は抑制され、脳卒中や脊髄損傷など骨の荷重が減るとスクレロスチンは高くなります。他にCKD患者は血清スクレロスチン高く、エストロゲン増加、PTH増加で血清スクレロスチン低下します。

イベニティーはスクレロスチンと結合することによりその作用を抑制します。テリパラチドに比較し骨梁が太い傾向があります。

抗スクレロスチン抗体は前駆細胞から骨芽細胞への分化を促進しmodeling basedの骨形成を促進します。

イベニティー⇨プラリア⇨イベニティーで継続的な骨密度増加の可能性があります。

注射部位反応は少し高いが、顎骨壊死、心血管イベントはプラセボと比較してもそれほど高くありません。またその作用機序より骨肉腫のリスクはテリパラチドに比較しありません。テリパラチド高カルシウム血症、イベニティーは注射部位反応に注意が必要です。テリパラチドはremodelling イベニティーはmodeling basedの骨形成です。基本となるビタミンDの補充は大切です。

総合的な感想として、一生のうちに使う回数制限が基本的にないこと、顎骨壊死のリスクは少ないこと、骨形成はは促進し、骨吸収は抑制するdual effectが期待できることなど、これまで骨密度の増加がなかなか得られなかった重度の骨粗鬆症患者さんには朗報となる期待できる薬であることがわかりました。当院でも全国に先駆けて治験を行なった思い入れの深い薬であることなど、これからの治療に、明日からの臨床に生かしたいと思います!


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